MISJ日本語教師養成講座:シリーズ日本語を知る・日本語の教え方を知る
会話をつけさせるための文法とドリル訓練
Description
このコースでは、初心者の日本語教育に直結した部分の文法理論と、その理論を活かした教授法、およびドリル訓練技術を学びます。
30年近いキャリアの中で、毎回最初のレッスンで「読む力・書く力・話す力・聞く力」の中で一番身につけたいのは?という問いを投げかけてきました。ほとんどの学習者が「話す力」と答えます。また、日本社会が外国人労働者に望むのも「コミュニケーション能力」つまり「話す力」と「聞く力」です。このコースでは、そんな学習者・日本社会双方の望みをかなえるために、最低限知っておくべき日本語の文法を学びます。
日本語教育の歴史は、日本語と英語は全く異なるしくみをもった言語であるにもかかわらず、海外で発信される英語教育法を次々取り入れ、応用する形で進んできました。日本語の単語をどのように組み合わせれば日本語の文を作れるか、文をどのように操作すれば会話ができるのか、という根本的な研究はほとんどなされておらず、したがって、初心者が最初に基本として学ぶべき知識を分かりやすく体系的に学べるようにできている教科書は私の知る限り一冊も見当たりません。このコースでは、そのような他では学べない「話すための日本語文法」の最も基本的な部分を学ぶことができます。
また、一般的な教師養成講座では、検定試験合格が最終目標となっているため、初心者を教えるには全く役に立たない学問的知識もたくさん学びます。さらに、大学教育における教員養成のコンセプトが検定試験のベースになっているため、たとえ一人前になるのに時間がかかっても、多様な学習者のニーズに合わせて自分で工夫し授業の組み立てができる教師を育てることを目標とした内容になっています。したがって「とりあえずこうすればいい」という具体的な方法を伝授してくれるところはほとんどありません。それはそれで長期的には意味がありますが、今世界的にもっとも求められているのが初心者を教えられる即戦力の教師であることとを考えると、現在のニーズに果たして適しているのかという疑問を否定できません。
このコースでは、30年近い日本語教育および日本語教師養成の実績で既に有効性が証明されている教授法とドリル訓練法を、具体的にご紹介します。マニュアルとビデオで使っている教材もご提供します。できるだけ対面授業を再現する形で制作しました。もちろん、対面の指導と100%同じにはできませんし、完成形のビデオは英語を使っているので、100%そのまま使えないという方もおられると思います。しかし、直接法の授業でも、このコースで学んだことを応用して取り入れることは可能だと思います。
なお、このコースは「平成30年度 専修学校による地域産業中核的人材養成事業日本語学校等の日本語教師のための学び直し講座の企画・実施」の成果を一部活用しています。
What You Will Learn!
- 日本語の数字のしくみを理解し、丸覚えに比べ格段に覚えやすい教授法を学びます。
- 日本語の格助詞の使い方と会話の中で起こる変化を理解し、その教授法を学びます。
- 会話力養成の要である日本語の文末変化を理解し、その教授法を学びます。
- 初心者が話せるようになるためのドリル訓練技術を具体的に学びます。
Who Should Attend!
- 日本語教育に興味がある方
- 会話力(話す力と聞く力)を身につけさせる方法を探している日本語教師
- 分かりやすい授業を目指している日本語教師
- 日本語に興味のある方